2015年8月31日

幼児・学童の便秘について

便秘とは排便回数が少ないため便が硬くなり、排便時の痛みや出血をともなったり、腹痛や腹部が張るなどの排便困難をともなう場合をいいます。排便が2~3日毎であっても、排便困難などの症状がなければ便秘とはいいません。また、1日に数回排便があっても、硬い兎便様の便が少量出るだけで、十分な排便がない場合は便秘と考えたほうがよいでしょう。


◎ 便秘をおこす背景には次のものがあります

・排便の抑制
朝に早起きができずに登校(登園)までの時間がないため、排便せずに登校(登園)することや、学校(幼稚園・保育園)で排便することを恥ずかしがり、排便を我慢してしまう。

・食習慣
こどもたちが好んで食べるものにたんぱく質、脂肪分が多い食事があります。これらの食物は消化がよく大部分が吸収されるので、食物残渣(食べ物のカス)が少なく、便の量が少なくなります。そのため、便の大腸内停滞時間が長くなり水分が吸収されて徐々に硬い便になり便秘になる可能性があります。
・精神的因子
幼児期に排便の失敗を叱られたり、強制的に長時間トイレに座らされたりする排便恐怖などで、排便を我慢してしまうことがあります。

・悪循環
直腸(直腸とは肛門の少し前の大腸のこと)に便がたまり拡張すると便意をもよおします(直腸肛門反射)。しかし、慢性便秘になると、次のような悪循環に陥ります。

便がたまってくる⇒直腸が既に太くなっている(直腸の排便反射が低下している)⇒便意が弱くなる⇒排便なく、便が硬くなる⇒排便時の痛み⇒排便恐怖⇒排便をがまん⇒便がたまってくる⇒・・・⇒・・・


◎ 対応

食生活/排便の習慣:朝は少し早めに起きて体を動かし、朝食をしっかり食べましょう。食べたり飲んだりすると腸が動き出し、うんちがしたくなるものです。朝うんちをする習慣を身につけることが大切です。

繊維分の多い食物は便の大腸内の停滞時間が短くなり、硬便が改善されます。さらに乳製品や水分を多めに取りましょう。

いも類・・・さつまいも、さといも、こんにゃく
野菜類・・・ほうれんそう、キャベツ、にんじん、ごぼう、大根、かぼちゃ
穀物・・・コーンフレーク、ポップコーン、めん類
果物・・・みかん、バナナ、イチゴ、リンゴ、カキ
海草類・・・わかめ、ひじき、こんぶ、のり
豆類・・・大豆、あずき、納豆、えだまめ
その他・・・ヨーグルト、ビフィズス飲料