2015年8月31日

伝染性軟属腫(水いぼ)

特に幼児期に好発する皮膚疾患である。半球状に隆起し、光沢を帯び、中心に窪みをもつ粟粒大~米粒大(2-5mm)のいぼが、主に体幹、四肢にできる。

◎ 病原体
 伝染性軟疣腫ウイルス

◎ 症状
いぼ以外の症状はほとんどない。いぼの内容物が感染源となる。発生部位は体幹、四肢。特にわきの下、胸部、上腕内側などの間擦部では自家接種により多発する傾向がある。
自然治癒まで6-12 か月、時に4 年程度かかることがある。

◎ 潜伏期間
2-7週、時に6 か月まで。

◎ 感染経路
主として感染者への接触により直接感染するが、タオルの共用などによる間接感染もあり得る。

◎ 好発年齢
幼児

◎ 治療法
自然治癒傾向があり放置してよい。しかし、自家接種や他者への伝播を防止するため、ピンセットでの摘出や液体窒素での除去など、積極的に治療する考え方もある。

◎ 感染拡大予防法
多数の発疹のある者については、プールでタオルなどを共用しないよう指導する。登校(園)に制限はないが、浸出液がでている場合は被覆する。


「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」
日本小児科学会 予防接種・感染対策委員会
2012 年1 月改訂版